所長からのメッセージ バックナンバー 2013年

消費税増税(第55号 2013.9.20発行)

平成26年4月1日から消費税率が5%から8%に引き上げられるか否かが10月初旬に決まろうとしています。大方は予定通りに実施されると予想されていますが、一部には立ち直りつつある景気の腰折れを懸念し、引き上げの時期を延期したり、毎年1%の小刻みな税率の引き上げで増税による消費者の負担を軽減すべきだと主張する専門家もいます。
1千兆円を超える国の借金返済や、毎年1兆円ずつ増え続ける社会保障費用の負担を考えると、何らかの形で税収を確保しなければ、近い将来国の財政は破綻し子供や働き盛りの若者に大きなツケを廻すことになります。
政府は民主党政権発足時に事業仕訳を実施し歳出の大幅な削減を目指しましたが功をなしませんでした。庶民を苦しめる消費税増税ではなく、「法人税率や高所得者の所得税率を上げて税収を確保すれば良い」と唱える向きもありますが、法人税の税収は平成23年度で7兆8千億円、所得税は13兆5千億円です。所得税納税者の約80%は税率が5~10%の人達ですから、法人税・所得税を10%上げても1兆円にも届きません。それに比べ消費税はデフレ下の平成23年度でも10兆2千億円の税収がありました。消費税率1%に換算して2兆円を超えます(今回の増税時における財務省の試算では2兆7千億円)。
売上時に預かった消費税から仕入時に支払った消費税を控除して納税する日本の消費税制度は、非課税事業を営む病院等を除き企業(事業者)の収益計算に影響を与えません。消費税率が上がっても下がっても企業の利益は原則として変わらないのです。問題は消費税の転嫁を拒否する買いたたきや、転嫁に応じることとの引換えにする購入強制で企業に対し不当な取引を強要することで、力の弱い企業の収益が削がれてしまうことです。
消費税増税は財政再建という大義名分の基では、止む得ない事だと思います。但し、その増税が力の弱い企業業績に影響の出ないように、生活弱者の負担に配慮することも忘れてはならないのです。

第三の矢は中小零細企業市場を射貫くか?(第54号 2013.5.20発行)

アベノミクスの効果が現れ始めました。第一の矢である大胆な金融政策は、黒田日銀総裁の誕生を受け、「次元の違う金融緩和」により為替相場は大きく円安に振れ5月の連休明けには1ドル100円に迫ろうとしています。輸出型企業は追い風を受けトヨタの平成25年3月期決算は1兆4000億円の税引前利益を計上し翌26年3月期は1兆8900億円とリーマンショック前の水準を回復する予測です。第二の矢である機動的な財政出動は、本紙が皆様のお手元に届く頃には24年度補正予算と一体的な15ヶ月予算として総額92兆6000億円余の平成25年度予算が成立します。インフラ整備等の公共事業を活発化させ民間市場に政府資金が潤沢に出回るようになるでしょう。
問題は第三の矢です。成長戦略を担当する産業競争力会議の十名の民間議員には、竹中平蔵・慶応大学教授、三木谷浩史・楽天社長、新浪剛史・ローソン社長など蒼々たるメンバーが名を連ね4月までに7回の会議を重ねました。会議は、A産業の新陳代謝の促進、B人材力強化・雇用促進制度改革、C立地競争力の強化、Dクリーン・経済的なエネルギー需給実現、E健康長寿社会の実現、F農業輸出拡大・競争力強化、G科学技術イノベーション・ITの強化の七つのテーマに分かれており「成長戦略」を六月にはまとめる予定です。第三の矢が確実に的を捉えなければアベノミクスは失速し、国民の大多数は低賃金と物価高に喘ぐことになり金融・経済は大きな打撃受け政治は大混乱に陥ります。
七つのテーマの中には残念ながら直接中小零細企業の支援に触れたものはありません。だからと言って失望してはいられません。大企業が成長を取り戻す過程で中小零細企業にもチャンスが巡ってきます。大企業は中小零細企業の助けなく発展は出来ないからです。選ばれる企業を目指し、「経営革新等支援機関」と手を携えながらその時に備えようではありませんか。

動く!!(第53号 2013.1.21発行)

昨年末に新政権が誕生しました。安倍首相は自らを危機突破内閣と名付け、デフレ不況を早期に脱出すると宣言しました。経済運営の柱は三本の矢です。第一の矢は大胆な金融政策、第二の矢は機動的な財政出動、第三の矢は成長戦略です。
金融政策ではインフレ率2%を目指し、政府・日銀が一体となって市場に低金利の資金を潤沢に供給し企業の設備投資を後押しするものです。機動的な財政出動とは、十三兆円を超える補正予算を編制し、その内四兆~五兆円を公共投資に充て民間需要を喚起するというものです。成長戦略とは、政府に設けた日本経済再生本部に産業競争力会議を設置し、成長戦略の具現化を議論させ、健康・長寿、グリーンエネルギーなどの戦略分野への投資や規制改革を推進するものです。
大部分の中小零細企業は瀕死の状態にあります。長い間デフレに悩まされ、超円高に苦しめられ、借入金の返済も思うようにならず、金融円滑化法が三月で終了することに怯えています。
昨年末に地元各金融機関の支店長と話し合う機会がありました。各支店長は口を揃えて円滑化法が終了しても「手のひらを返したようなことはしません」と言明してくれました。だからといって借入金の返済が免除になるわけではありません。企業が売上を増やし、利益を出すのを辛抱強く待とうと言ってくれているのです。
今までは財政再建と言う大義名分のために支出を削減し、大幅に公共事業をカットしてきました。金融を緩和してもデフレは資金を中小零細企業の頭上を通過させただけでした。飢えている人に「痩せたのだから食べ物を少なくすれば腹は空かなくなる」というのと同じです。腹が満たされてこそ元気が出ます。明日への活力も湧いてきます。公共事業の増加が中小零細企業の売上増に結び付くことを切に期待します。
政治・経済が動こうとしています。今企業に必要なのは行動する力です、動くことなく結果は生じないからです。

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