所長からのメッセージ バックナンバー 2011年

震災の復興と税制(第49号 2011.10.15発行)

大震災から7ヶ月を経て本格的な復興予算となる平成23年度第3次補正予算の編成手続きが始まりました。阪神淡路大震災復興のための補正予算が5ヶ月で国会に提出されたのと比べると規模の違いはあるものの、政府の怠慢さにやるせなさを感じる人は少なくありません。
その内容をみると、平成28年度までに12兆円を投じ、がれき処理やインフラ復旧、生活再建等の充てるとされています。問題はその財源です。こども手当などの歳出削減で2兆円程は確保できるものの、残った10兆円は増税によって賄わなければなりません。増税の大きな柱は
①所得税 平成25年から10年間で、納税額に一律4%の上乗せで6兆2000億円の増税
②法人税 平成24年4月から3年間で2兆4000億円の増税
③たばこ税 平成24年10月から1本あたり2円(国10年、地方5年)で2兆2000億円の増税
④個人住民税 平成26年6月から5年間で一人あたり年500円アップで4000億円の増税となっています。

震災復興のために、全国民が経済的な負担を含め力を合わせることは当たり前です。そのための増税であればやむを得ないと考える国民は多いはずです。問題は昨今の株価低迷と円高です。株価は1万円を大きく下回り8千円半ばを低迷しています。円はドルに対し76円台と電機・自動車を中心とした輸出産業に大打撃を与えています。これに追い打ちをかけるように法人税が増税となれば、大企業の受ける負担益々大きくなります。生産の本拠地のアジアを中心とした海外移転は加速されるでしょう。
中小企業も例外ではありません。元請け企業の生産拠点が海外へ移転すれば下請け企業は一緒に移転しない限り取引から除外され一挙に売上を減少させることになります。日本を本当の意味で復興させるためには被災地もさることながら全国の法人企業を育む税制を講じて戴きたいのです。

東日本大震災の後遺症(第48号 2011.6.15発行)

忌まわしい大震災から三ヶ月が経過しました。宮城県を始め岩手、茨城、千葉の各県では仮設住宅への入居なども始まり、被災された方々の日常が少しずつ取り戻されつつありますが、本格的な復興は緒に就いたばかりです。時を同じく福島県では東京電力福島第一原発の津波によるアクシデントにより、多くの県民が避難を余儀なくされ不自由な生活を強いられています。二万名を超える人命を奪われた精神的なダメージは勿論こと被災家庭や東北・北関東の地域経済に及ぼす損失は計り知れないものがあります。
今回の震災は、直接の被害だけではなくその後遺症というべき間接的な被害も無視できません。被災地域で製造される完成品や部品の供給が停止されたり滞ったりして被災地域以外の工場の生産に影響を及ぼしています。浜岡原発の運転停止による中部電力の電力供給にも不安が募ります。計画停電が実施されれば、長野県の中小企業も大打撃を受けます。
国民の目は被災地を向いています。「がんばれ東北!!」「がんばれ日本!!」
未曾有の地震や津波、はたまた人災と言っても過言ではない原発からの放射能洩れに苦しむ人や企業を幸いにも被災に会わなかった私達は自身の出来うる限り全力で支えるつもりです。
それとともに忘れてならないのは、後遺症に苦闘する企業の救済です。原材料が入らない、生産縮小により元請企業からの発注がなくなった等々、中小企業経営に対する影響は、被災地の企業と比べ程度の差こそあれ甚大です。公的金融機関は二次被害についても対応すると公表していますが、被災地向けの資金供給に手一杯の感があります。
行政の仕事の根幹は地域を守ることです。今こそ地域の人や企業の安全・安心の保証料として住民から預かった資金を投入し、後遺症に苦しむ企業を救っていただきたいと願うのです。
「がんばれ長野!!」
「がんばれ信州!!」

平成23年度税制改正について(第47号 2011.1.15発行)

昨年の暮れに政府は税制改正大綱を決定しました。その内容を一言で表すと、「個人しわ寄せ改正」です。
改正の目玉は法人税の減税です。法人実行税率を40.69%から35.64%へ実質5%の引き下げが実施されます。もっとも、基本税率引き下げの効果を最大限に受ける大企業にあっては、租税特別措置法等の優遇税制が縮減され、繰越欠損金の控除も8割に制限されるため、企業によっては負担が増えることが予想されます。中小法人の軽減税率(年800万円まで)は、18%から15%に、本則税率は22%から19%に引き下げられます。
個人は増税となり、特に高所得層には顕著に税負担のしわ寄せが発生します。
①先の改正で一月から15歳以下の扶養親族が控除の対象から外れるとともに、
②平成24年からは23歳から69歳までの扶養親族(成年扶養親族)については、合計所得が400万円(給与収入で568万円)以下の世帯に限り認められることになります。③給与収入の必要経費にあたる給与所得控除額が、年収1,500万円を超えた時点で一律245万円に抑えられ、年収2,000万円を超える企業の役員の控除額はさらに圧縮されることになります。
相続税も改正が行われ、課税の裾野が拡大します。①基礎控除の定額部分が現行の5,000万円から3,000万円に②法定相続人一人あたりの基礎控除額が1,000万円から600万円に、基礎控除全体で40%が圧縮されます。③死亡保険金に対する非課税も同居していない成年者には対象外となります。
政府の財政に対する方針が定まらないため、税制の抜本的な改正が見送られ国民の税負担にひずみが生じようとしています。

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